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パンドラ 3/4

 Ⅲ 幽霊ども

芝居はとうに終わっていた
私は客席にひとり残されていた
私が最後の耳であり目であった
舞台には呆けた沈黙 救えぬ闇

芝居はとうに終わっていたのだ
音楽の旋律も 役者たちの面影も
もはや想い出されない
いまや憂鬱 退屈 遣りきれない

終わった 終わった 終わっていた
寒い 狭い客席には
虚空に虚空をみつけるばかりの
私の亡骸ばかりが残されていた

ホラ見ていれば 底なしの無明が口ひらき
名もない 打ち捨てられた みじめなものら
お互いが幽霊である幽霊どもが
おいでおいでをしてるじゃないか

さては私のお仲間か てもなく愚かに眠ろうか
絶えて交感せず 孤立したものら
かつて所有されず かつて存在しないものら
無力な幽霊どもの つまらぬ芝居だ

芝居はとうに終わっていたのに
私はなおもここにいて 虚空に
ああ 何も見はしなかったしなかった
私はおもむろ席を立つ 拍手はしない
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